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浸炭処理|高負荷部品の表面硬化処理
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機械や自動車産業において、ギヤ や シャフト などの高トルク・高衝撃を受ける部品は、表面摩耗による劣化が課題となります。 内部の靭性を維持しながら、表面のみを硬化させることで、部品寿命を大幅に延ばすことが可能です。 この要件を満たすために採用されるのが 浸炭処理(Carburizing) であり、耐摩耗性・耐疲労性に優れた表面と、靭性を保った芯部を実現します。
プロセスの原理
浸炭処理(Carburizing) とは、炭素濃度の高い雰囲気ガス中で 800~980°C に加熱し、炭素原子(Carbon Atoms) を鋼材表面に拡散させるプロセスです。炭素が鋼の結晶構造に浸透し、浸炭層(Carburized Layer) を形成します。その後、急冷(Quenching) を行うことで、表面が マルテンサイト組織(Martensitic Structure) に変化し、高硬度で耐摩耗性の高い層を得ることができます。
処理後の特性
表面硬度:650~800 HV
優れた 耐摩耗性 と 耐疲労性 を発揮。
表面はマルテンサイト化し硬化、内部は靭性を保持。
繰り返し衝撃や高負荷下でも亀裂や変形を防止。
適用材料
浸炭処理(Carburizing) は、硬度と靭性のバランスが求められる鋼材に適しています。
構造用炭素鋼(Structural Carbon Steel)
合金鋼(Alloy Steel)
用途と適用例
高負荷・高精度部品に最適です。
ギヤ(Gear): 表面硬度と耐摩耗性を向上。
ブッシュ/ロール(Bush / Roll): 高回転・高慣性条件での摩耗を低減。
スピンドル(Spindle): 表面の滑らかさと回転精度を確保。
最大 760 × 1230 × 720 mm の大型ワークまで処理可能で、小型から大型まで幅広い生産に対応します。
浸炭処理の特長
芯部を脆化させずに表面硬度を大幅に向上。
長期的な 耐摩耗性 と 耐疲労性 を実現。
浸炭層の深さ(Case Depth)を精密に制御可能。
多様な形状・サイズの部品に対応。
まとめ
ガス浸炭処理(Gas Carburizing) は、鋼の表面硬度を高め、耐摩耗性・耐疲労性を向上させる代表的な熱処理技術です。800~980°C の温度範囲で処理することで、650~800 HV のマルテンサイト層を形成し、内部の靭性を維持。機械・自動車・パワートレイン分野において、部品寿命と信頼性を大幅に向上させる最適なソリューションです。
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