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切削工具におけるCVDコーティング技術の基礎|高精度・摩耗低減
製品情報
CVDコーティング技術は、切削工具の寿命を延ばし、切削精度を向上させ、工具交換コストを削減します。安定した生産体制を求める工場に最適な技術です。
■ CVDコーティングとは
CVD(Chemical Vapor Deposition/化学気相成長)とは、高温(約800~1000℃)の化学反応により、材料表面に薄膜を形成するコーティング技術です。この膜は非常に硬く、耐摩耗性に優れています。
一般的に使用されるコーティング材料には、チタンカーバイド(TiC)、チタンナイトライド(TiN)、アルミナ(Al₂O₃)などがあり、膜厚は約4~8ミクロン。高精度を維持しながら重切削を行うカーバイド工具に適しています。
■ CVDコーティングの特長
CVDコーティングは、工具の硬度と耐摩耗性を大幅に向上させ、過酷な高温環境でも長寿命を実現します。膜厚が十分で、切削力に耐えられるだけでなく、基材への密着性も高く、剥離のリスクを抑えます。また、用途に応じてコーティング材を柔軟に選択できるのも特長です。
■ 適用分野と代表的な用途
CVDは、特に高難度な加工分野で広く採用されています。例として、高速切削による鋼や鋳鉄の加工、高負荷の旋削加工、難削材(インコネルや耐熱鋼など)のフライス加工、さらには工具刃先の摩耗を正確に管理する必要がある工程などが挙げられます。
■ CVDとPVDの違い
CVDとPVD(Physical Vapor Deposition/物理気相成長)はどちらも産業用途で使用されるコーティング技術ですが、それぞれに特性の違いがあります。
CVDは高温での処理が必要ですが、膜厚が厚く、連続切削を伴うカーバイド工具に適しています。高い耐久性を求める用途に最適です。
一方、PVDは低温で処理でき、より薄く滑らかな膜を形成できるため、高速度鋼(HSS)製の精密工具や微細加工に適しています。
■ FUJILLOYのCVDコーティング技術
FUJILLOY(フジロイ)社は、タイ国内の現場ニーズに対応したCVD技術を独自に開発。4~8ミクロンの厚膜により高い耐摩耗性を実現し、特殊な硬質合金素材と実際の加工環境を考慮した工具設計により、工具寿命を大幅に向上させています。
また、破断靭性(TRS)や表面粗さも高精度で管理可能で、切削後の仕上げ研磨を減らすことができます。これにより、長期的に安定した高精度加工を実現できます。
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