製品情報

ばね（スプリング）は、エネルギーの蓄積・解放、衝撃の吸収、機械構造の支持など多くの機能を持つ重要な機械部品です。しかし、設計通りに使用されていない場合や過酷な条件下では、「変形（永久変形）」が発生し、本来の性能を発揮できなくなることがあります。

この記事では、ばねの変形を引き起こす主な3つの要因である「素材」「荷重」「温度」について技術的観点から詳しく解説します。

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🧪 1. 素材（Material）
ばねの性能（弾性、強度、疲労耐性、耐熱性）は素材によって決まります。使用環境に合わない素材を選定すると、通常使用でも早期に変形が起こる可能性があります。

■ 素材例と注意点:
- SWP-B（ピアノ線）
  → 高強度だが、繰返し荷重に対して疲労破壊のリスクあり
- SUS304（ステンレス鋼）
  → 耐食性は高いが、高荷重下で永久変形しやすい
- インコネル、エルジロイ
  → 高温環境に強いが、コストが高いため用途限定

■ よくある問題:
- 一般鋼材を湿気環境で使用 → 錆びやすく、弾性低下
- ステンレスばねに過大な力 → 徐々に元に戻らなくなる

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🧲 2. 荷重（Load）
ばねは弾性範囲内で使うことを前提に設計されています。降伏点（Yield Point）を超えると、塑性変形（Permanent Deformation）が生じ、元に戻らなくなります。

■ 問題を引き起こす荷重条件:
- 過荷重（Overload） → 圧縮・引張のしすぎで元に戻らない
- 繰返し荷重（Cyclic Load） → 疲労破壊（Fatigue）の原因
- 斜め荷重（Misalignment） → 偏心によるねじれや歪み

■ 設計上のポイント:
- 降伏点の70～75％以下で設計（25～30％の安全率を確保）
- ストロークの端まで使い切らない

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🌡️ 3. 使用温度（Temperature）
温度は素材の強度と弾性に影響を与えます。高温下では強度が低下し、クリープ変形（Creep）が発生することがあります。逆に低温では脆くなることもあります。

■ 温度の影響例:
- 100°C以上 → 多くの材料で降伏点が低下
- 300°C以上 → 炭素鋼は荷重をかけるとすぐに永久変形
- 0°C以下 → 材料が脆くなり、衝撃で破損しやすい

■ 対策:
- 高温対応素材（耐熱合金）を選定
- 実使用環境での長期耐久テストを実施

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