SERVICE
生産財・サービス
メルトブローン製法による微細繊維形成と応用技術
製品情報
メルトブローン製法は、ナノ~ミクロン級の微細繊維を形成する高度な不織布技術。高性能フィルターや医療用途で注目されるメルトブローンの技術原理と応用展開を解説します。
メルトブローン製法とは
メルトブローン(Meltblown)製法は、ポリプロピレン(PP)などの熱可塑性樹脂を溶融させ、高速の熱風で極細繊維として吹き出し、冷却・堆積させて不織布を形成する技術です。
この方法は、極めて細い繊維(0.5~5μm)を製造できる点が大きな特長で、フィルターや医療・衛生用品の分野で幅広く利用されています。
一般的なスパンボンド法と異なり、メルトブローン法は機械的強度よりも繊維の微細性と均一性に特化しており、主に機能性材料として評価されています。
微細繊維を形成するプロセスの仕組み
メルトブローンプロセスは以下の工程で構成されます:
- ポリマー供給・溶融:ポリプロピレンなどの樹脂を加熱して溶融
- ダイヘッドからの押出し:細いノズルから溶融樹脂を押し出し
- 高温高速エアで延伸:ノズル付近で熱風を噴出し、樹脂を細く延伸
- 冷却と堆積:空中で冷却され、不織布としてベルト上に堆積
この過程で、非常にランダムな繊維構造が形成され、高い比表面積と複雑な繊維ネットワークが生成されます。これが、微粒子捕集や液体吸収に優れる理由です。
メルトブローン不織布の特性と利点
メルトブローン不織布は以下のような特性を持っています。
- 高いフィルター性能(BFE、PFEなど)
- 優れた吸音性・断熱性
- 軽量かつ柔軟で、通気性も確保
- 繊維径のコントロールが可能(用途別に調整可能)
- 帯電処理によるエレクトレット化も可能(静電吸着性能を付加)
これらの特性により、特にマスク用フィルター、HEPAフィルター、油水分離材、吸油材としての用途が広がっています。
応用分野と製品化事例
メルトブローン製法で製造された不織布は、以下のような分野で使用されています。
- 医療・衛生分野:サージカルマスク、N95マスク、ガウン、キャップ
- 空調・産業フィルター:エアコン用、クリーンルーム、車載用フィルター
- 環境資材:オイルブーム、吸油マット、水処理フィルター
- 衣料・インナー素材:吸湿シート、防水透湿素材の中間層
- 農業用資材:防虫シート、防霜材など
最近では、生分解性ポリマーやPLA(ポリ乳酸)を用いた環境配慮型製品への展開も進んでおり、持続可能性への貢献も期待されています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
❓ FAQ
Q: メルトブローン繊維の直径はどの程度ですか?
A: 一般的に 0.5〜5µm で、微細ろ過に適しています。
Q: なぜメルトブローンはマスクに使用されるのですか?
A: 微細粒子を効率的に捕集しつつ、通気性を維持できるためです。
Q: バイオベースのメルトブローンとは?
A: PLA などの生分解性素材を用いたメルトブローンで、環境負荷を低減できます。
📚 Glossary
Meltblown(メルトブローン): ナノ〜マイクロ繊維を形成する不織布製法
Electret(エレクトレット): 帯電を保持しろ過性能を向上させる加工
Die Head(ダイヘッド): 繊維径を決めるノズルユニット
#メルトブローン #不織布 #フィルター素材 #微細繊維 #高性能フィルター #医療用不織布 #静電吸着 #環境配慮 #PLA素材 #持続可能素材
CONTACT
お問い合わせ