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防爆盤とは?危険場所で使われる制御盤の基本知識
製品情報
防爆盤は、可燃性ガスや粉塵が存在する危険場所で、安全に電気機器を制御するために必要な専用制御盤。防爆の基本構造と用途をわかりやすく解説します。
1. 防爆盤とは何か?基本概念と必要とされる背景
防爆盤(防爆型制御盤)とは、可燃性ガスや可燃性粉塵が存在する「危険場所」に設置される制御盤のことで、盤内部で発生するスパークや高温による着火を防ぐよう設計されています。
工場やプラントなどの現場では、一般的な制御盤をそのまま使うと、内部のリレーやスイッチが発火源となって爆発を引き起こす恐れがあります。防爆盤は、そうしたリスクを根本的に回避し、人命・設備・生産ラインを守るための重要な安全機器です。
2. 防爆構造の種類と適用される環境
防爆盤には、使用環境や危険物の種類に応じていくつかの防爆構造が存在します。主なものは以下の通りです。
- 耐圧防爆構造(d):爆発が起きても筐体内部に閉じ込める構造。最も広く使われています。
- 安全増防爆構造(e):スパークを発生しないような部品構成とし、絶縁やクリアランスを強化します。
- 本質安全防爆構造(i):回路自体に爆発を起こすだけのエネルギーを持たせない構造です。計装信号系で多用されます。
- 内圧防爆構造(p):筐体内に加圧空気を送り、可燃性物質が入らないようにします。
どの構造を採用するかは、設置されるエリアの「ゾーニング」(危険等級)や、制御対象機器の性質によって決定されます。
3. 防爆盤に求められる設計要件と選定ポイント
防爆盤は通常の制御盤とは異なり、以下のような設計・構造上の配慮が求められます。
- 筐体の材質と構造:アルミ合金や鋼板を使用し、気密性と強度を確保
- ケーブル引込部の密閉:防爆ケーブルグランドを使用し、気密性と防爆性を両立
- 放熱対策:熱がこもらないよう内部配置やファンの使用に工夫が必要
- 部品選定:防爆認証済のリレー、端子台、スイッチなどを使用
- メンテナンス性:開閉時の安全性や、認証維持を考慮した構造が求められます
さらに、設計段階では盤の設置環境(屋内・屋外、温度、湿度、腐食性)を明確にし、それに応じたIP等級や腐食対策も必要です。
4. 防爆認証と法令対応についての基礎知識
防爆盤は、日本国内で使用する場合、労働安全衛生法に基づく\-\-国内防爆検定(TIIS認証)\-\-に対応している必要があります。輸出向けの場合は、\-\-ATEX(欧州)やIECEx(国際標準)\-\-など、各国・地域の規格に準拠する必要があります。
防爆盤の設計・製造・検査・設置には、以下の法令・ガイドラインが関係します。
- 労働安全衛生法(厚生労働省管轄)
- 電気用品安全法(PSE)
- 国際電気標準会議(IEC)による防爆規格
- 各種工場ガイドライン(化学工業、塗装ラインなど)
これらの認証・規格に適合していない盤を危険場所に設置した場合、事故発生時に法的責任が問われるリスクがあるため、仕様書の段階で確認が必須です。
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